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EVERYTHING IS EVERYTHING

音楽を聴いていて常々、音楽には力があると感じます。

少なくとも長い年月を経てもなお愛される作品には音楽に力があるからでしょう。

ただ、音楽に力があると言うことと何らかの力が音楽に乗り移ったと言う事は根本的にベクトルが違うと思います。

70年代のSoulを聴いていたらそんな違いについて考えてしまいました。

黒人救済のための音楽。限りなく純粋に近い音楽。

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EVERYTHING IS EVERYTHING/DONNY HATHAWAY
(1970年作品)

1.VOICES INSIDE
2.JE VOUS AIME
3.I BELIEVE TO MY SOUL
4.MISTY
5.SUGAR LEE
6.TRYIN' TIMES
7.THANK YOU MASTER
8.GHETTO
9.YOUNG GIFTED AND BLACK

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→70年代のSoulの新たな可能性を切り開いたDONNY HATHAWAYのデビュー・アルバムです。

この時代の音楽を聴くと公民権運動やベトナム戦争に関する内容のものが多いですが、黒人社会の地位の向上を訴えてもキング牧師やケネディー大統領の暗殺など時代は一向によくなる気配を見せません。
そんな60年代後半から70年代前半の時代に颯爽と登場したのがDONNY HATHAWAYです。
有名なゴスペル歌手を祖母に持ち、名門のハワード大学で音楽を学んだDONNY HATHAWAYがデビュー作につけたタイトルは「EVERYTHING IS EVERYTHING」邦題は「新しきソウルの光と道」です。
この作品はこのタイトルのとおり、70年代Soulに新たな可能性を提示したといえる素晴らしい作品です。

DONNY HATHAWAYの音楽のテーマには黒人社会の問題が取り上げられますが、その中でも名曲として名高いのが8.GHETTOです。
この曲はゴスペルやR&B、Bluesなど黒人音楽を巧みにSoulに変えた感じの曲でファンキーかつクールです。
後に「Live」という作品が発売されるのですが、そのLiveでのGHETTOでの聴衆の盛り上がり方を聴けばいかにこの曲が当時の黒人に指示されていたか分かります。
また、DONNY HATHAWAYの声は言うまでもなく素晴らしく聴いているだけで泣けてきます。さらにあまり言及されませんが、声と同様に鍵盤系の演奏も素晴らしいですね。

MARVIN GAYEよりもSTEVIE WONDERよりもCURTIS MAYFIELDよりもいち早くSoulの可能性を拡げたDONNY HATHAWAYのデビュー作、是非チェックしてみてください。

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by deaconred | 2006-03-15 22:30 | Soul

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred