ESKIMO

今年の上半期に頻繁に考えさせられたのが「定義」の問題。
そもそも「定義」が違えばその本質は違ってくるのにその「定義」をあまり日常では考えないな、と思い何事も「定義」に注目して来ました。

音楽をはじめあらゆる表現、芸術において「定義」の問題は重要で、その「定義」の打開こそ進歩への第一歩だったのかもしれません。
音楽に関していうと現在の音楽産業ではこの定義に挑むことは不可能に近いと感じており、それをネット(というか情報革命)が打開できるかな?と少し期待していましたがどうも難しいようですね。

私の感覚では70年代までの音楽は「定義」へ挑戦できていたように感じています。
数々の名盤にはその「定義」を打ち破ったから名盤と語り継がれている盤もあります。

今回のネタ、そもそも音楽とはなんなのか?

ロックとはなんなのか?

そんな問いかけをしているように感じる歴史的名盤をお届けしましょう。

このアーティストの作品を買おうか迷っているこのブログの某読者に捧げます(笑

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ESKIMO/THE RESIDENTS
(1979年作品)

1.WALRUS HUNT(セイウチ狩り)
2.BIRTH(誕生)
3.ARCTIC HYSTERIA(北極地方のヒステリー)
4.ANGRY ANGAKOK(怒りのアンガコク)
5.SPIRIT STEALS A CHILD(子供をさらう精霊)
6.FESTIVAL OF DEATH(死の祭り)

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人間に対して決して忘れがたいもの、それはその人の性別であると言われている。
ザ・レジデンツに性別はない。

次に印象的なのは顔である。
ザ・レジデンツに顔はない。

3番目に印象に残るのは性格である。
ザ・レジデンツに性格はない。

これは今回のネタ、THE RESIDENTSの公式経歴書の書き出しです。
彼ら(と呼んでいいのでしょうか?)はロック史史上最も謎な4人組です。

その存在は全くの謎であり、メンバーの中身はビートルズである。とか中身の一人は日本人である。など様々な噂があります。実際、どういう人間がTHE RESIDENTSを構成していたか全くの謎。
1980年代中期にはメンバー1人の目玉マスクが盗まれてしまったため、巨大なドクロのマスクが新たに登場することとなった。盗まれたマスクは犯人がどこに住んでいるかをつきとめ、逆に盗み返してきた熱烈なファンのおかげで1985年に戻ってきた。といったエポソードが残っています。

このESKIMOという作品はカナダやアメリカの福祉政策によって遊牧生活から強制的に引き裂かれてしまったエスキモーの伝統的風習を音楽によって再現しようとした画期的作品です。彼らが目玉の姿で始めてジャケットに登場した作品でもあります。
彼らは4年の歳月をかけてエスキモーの生活を研究し、それをシンセサイザーやサウンド・エフェクトをもって再現しています。

多分、皆様が思っている「音楽」とは違った次元の「音楽」がここにあると思われます。
そもそも音楽とは何を表現すべきものなのか?若しくは何を表現すれば音楽なのか??
この作品を聴いているとその根本的な問題にぶつかります。
限りなくデキュメンタリーに近い?作品で中にはTHE RESIDENTSによる各曲の文化的解説が掲載されています。
これを読むとエスキモーの音階は西洋的音楽の音階とは異なり、F、G、B♭、D♭、E♭の5音階にほぼ近いそうです。
これをシンセサイザーやサウンド・エフェクトを用いて再現していくのですから既に西洋史的ロック史の定義から外れてしまうかも知れません。

私の中で「ロック」とは「古典からの脱却」であり、そういう意味ではクラシックでなければ全てロックと解釈しているのでこの作品はまぎれもなくロックと感じています。

聴けば聴くほどその恐ろしい音世界(むしろドキュメンタリー)に引き込まれそうになって怖くなりますが、この作品の投げかけている問題提起は非常に重要だと常々感じております。

さて、個人的なこと書きますが、某Iさん、やっぱりTHE RESIDENTS買いましょう(笑)
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Commented by バーデン at 2006-07-24 09:15 x
>熱烈なファン・・・
いるのですねw
某dさんもその一人と信じていますが(爆)
でも本当に聴きたいのですw手に入れたいのですwRESIDENTSの世界を垣間見たいのです(謎

でも某Iさんは何を考えているのでしょうか(笑)
Commented by べるとれ at 2006-07-24 16:33 x
心理学の定義も難しいです
Commented by deaconred at 2006-07-24 19:32
>バーデンさん

先日は失礼しました^^;
では是非、ご購入を!私も捜しておきます。

>べるとれくん

例えば??
by deaconred | 2006-07-22 23:49 | Rock(70年代) | Trackback | Comments(3)

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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