EARLY WORKS
2006年 09月 12日
「連続すること」
「反復すること」
自然界の法則に何からかの真理があるなら、「連続すること」と「反復すること」という概念はひとつの真理なのかもしれない、と常々感じています。
言うまでもなく「連続」しなければ時間も音楽は成り立ちませんし、「反復」しなければリズムは感じられません。
音楽においてこの二つの要素を考えたとき、どうしても外せないアーティストがSTEVE REICHでしょう。
この度は「高松宮殿下記念世界文化賞」の受賞おめでとうございます。
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STEVE REICH:EARLY WORKS
1.COME OUT
2.PIANO PHASE
3.CLAPPING MUSIC
4.IT'S GONNA RAIN
5.IT'S GONNA RAIN[Continued]
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→ミニマル・ミュージックの先駆者として名高いSTEVE REICHの初期作品集です。
STEVE REICHは単にミニマル・ミュージックという枠だけに収まる音楽家ではなく、現代音楽にて多くの作品を残しています。ただ、「反復」という概念から見た場合、テクノ系などのミュージシャンに決定的な影響を与えているのでミニマル・ミュージックの先駆者という名で知られているのかも知れません。
この作品はその「反復」という概念を楽しめる(?)作品が収録されています。
1.COME OUTと4.IT'S GONNA RAIN は二つの同じテープループの同時再生時に起こるズレから生じるぶれた音(の像と呼ぶべきか?)の微妙な変化を聴くという作品です。
彼の解説によると「漸次的位相変異プロセス」という作曲法を用いて作曲された作品です。
1.COME OUTが1966年、4.IT'S GONNA RAINが1965年とともに60年代の作品ですが、当時、テープループを用いて音楽を作成していた人はいなかったのではないでしょうか?
どちらもただ「COME OUT」、「IT'S GONNA RAINE」という言葉を繰り返えすだけですが聴くと驚くほど視覚的な作品です。
ここで大切なのはミニマム・ミュージックと呼ばれるこれらの作品がマキシマムに広がる音世界を持っているという点でしょう。
何事も最小で表現するということは難解で、それを実践した作品(音楽に限らず)には時代を超越した美を感じることが出来ます。
そこには言語学的な意図(子音の強調)があるとマイケル・ナイマンが指摘をしていますが、語学が苦手な私には難しい概念です。
ただ、リズムという概念は「強」と「弱」の繰り返し(つまりはオンビート、オフビート)によって「恣意的に」感じられるものである以上、リズムの強弱に加えて言語的な強弱というものを意識したのかも知れません。
この作曲方法が音楽的に大きな意味を持つのはそれまでの西洋音楽にはない「ズレ」という概念が音楽的に可能だ、と証明した点にあるでしょう。
そして私にとってはある特定のパルスがリズムへと変化するプロセスを生で感じることが出来たということがこの作品と出会えた価値だったと感じています。
恣意的にリズムを感じる、無意識ですが人はそれをやっているのですね。
故に「連続すること」と「反復すること」はひとつの真理なのかもしれません。
最後に、このような手法の音楽を演奏することを「ライヒる」という動詞を用いて表現することがあります(笑)
さ、ライヒりましょう♪
「反復すること」
自然界の法則に何からかの真理があるなら、「連続すること」と「反復すること」という概念はひとつの真理なのかもしれない、と常々感じています。
言うまでもなく「連続」しなければ時間も音楽は成り立ちませんし、「反復」しなければリズムは感じられません。
音楽においてこの二つの要素を考えたとき、どうしても外せないアーティストがSTEVE REICHでしょう。
この度は「高松宮殿下記念世界文化賞」の受賞おめでとうございます。
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STEVE REICH:EARLY WORKS
1.COME OUT
2.PIANO PHASE
3.CLAPPING MUSIC
4.IT'S GONNA RAIN
5.IT'S GONNA RAIN[Continued]
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→ミニマル・ミュージックの先駆者として名高いSTEVE REICHの初期作品集です。
STEVE REICHは単にミニマル・ミュージックという枠だけに収まる音楽家ではなく、現代音楽にて多くの作品を残しています。ただ、「反復」という概念から見た場合、テクノ系などのミュージシャンに決定的な影響を与えているのでミニマル・ミュージックの先駆者という名で知られているのかも知れません。
この作品はその「反復」という概念を楽しめる(?)作品が収録されています。
1.COME OUTと4.IT'S GONNA RAIN は二つの同じテープループの同時再生時に起こるズレから生じるぶれた音(の像と呼ぶべきか?)の微妙な変化を聴くという作品です。
彼の解説によると「漸次的位相変異プロセス」という作曲法を用いて作曲された作品です。
1.COME OUTが1966年、4.IT'S GONNA RAINが1965年とともに60年代の作品ですが、当時、テープループを用いて音楽を作成していた人はいなかったのではないでしょうか?
どちらもただ「COME OUT」、「IT'S GONNA RAINE」という言葉を繰り返えすだけですが聴くと驚くほど視覚的な作品です。
ここで大切なのはミニマム・ミュージックと呼ばれるこれらの作品がマキシマムに広がる音世界を持っているという点でしょう。
何事も最小で表現するということは難解で、それを実践した作品(音楽に限らず)には時代を超越した美を感じることが出来ます。
そこには言語学的な意図(子音の強調)があるとマイケル・ナイマンが指摘をしていますが、語学が苦手な私には難しい概念です。
ただ、リズムという概念は「強」と「弱」の繰り返し(つまりはオンビート、オフビート)によって「恣意的に」感じられるものである以上、リズムの強弱に加えて言語的な強弱というものを意識したのかも知れません。
この作曲方法が音楽的に大きな意味を持つのはそれまでの西洋音楽にはない「ズレ」という概念が音楽的に可能だ、と証明した点にあるでしょう。
そして私にとってはある特定のパルスがリズムへと変化するプロセスを生で感じることが出来たということがこの作品と出会えた価値だったと感じています。
恣意的にリズムを感じる、無意識ですが人はそれをやっているのですね。
故に「連続すること」と「反復すること」はひとつの真理なのかもしれません。
最後に、このような手法の音楽を演奏することを「ライヒる」という動詞を用いて表現することがあります(笑)
さ、ライヒりましょう♪
by deaconred
| 2006-09-12 19:32
| Rock(other)