LIVE AT THE CAFE BOHEMIA

今、この瞬間も時間は進んでいて世の中も刻々と変化しています。
後にマクロな視点から過去を振り返るとその変化をリアルに体験していたことに気が付くかもしれません。
世の中の個々の事象は水滴のようなものであり、遠くから見て初めて虹になるようなものです。

そういったマクロな視点から音楽を見ると大きな変化は「ムーブメント」として現れるようで、どんなジャンルの音楽であろうと「力」溢れる音楽になっていると感じます。
その時代をリアルに体験したミュージシャンや聴衆は本当に幸せだったでしょう。

モダン・ジャズはバップ→ハード・バップと移行していきますが、バップがハード・バップへと移行している時代のジャズは今聴いても十分モダンです。

その普遍的な「力」に触れる、そんなジャズを。

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LIVE AT THE CAFE BOHEMIA/GEORGE WALLINGTON
(1955年ライヴ録音)

GEORGE WALLINGTON:pf
DONALD BYRD:tp
JACKIE McLEAN:as
PAUL CHAMBERS:b
ARTHUR TAYLOR:ds

1.JOHNNY ONE NOTE
2.SWEET BLANCHE
3.MINOR MARCH
4.SNAKES
5.JAY MAC'S CRIB
6.BOHEMIA AFTER DARK

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→白人バップ・ピアニストのGEORGE WALLINGTONが始めて結成したクインテッドのライヴ盤。

GEORGE WALLINGTONはオペラ歌手を父に持つイタリア人で1歳の時に家族で米国へ移住。
将来はクラシック・ピアニストになって欲しいと願う父から厳しくピアノを指導されますが、初めてジャズを聴いてからその魅力に惹かれてクラシックからジャズへ転向し父から勘当されてしまいます。
その後、数々の名演を残しますが勘当されてからハーレムに出入りしていたことからスキャンダルに巻き込まれ絶頂期にジャズ階から引退してしまうという悲劇のピアニストです。

何か新しい音楽が生まれる瞬間というものを体験できたならその「力」に鳥肌が立つかもしれません。
過去にも書いているのですが、なにか新しいものが生まれる瞬間と言うのは普遍的な力が宿ると私は信じています。その力は音楽に限らずあらゆる表現の場で言えることでしょう。
この作品はGEORGE WALLINGTONの芸術的なピアノも聴きところですがなんと言ってもDONALD BYRDとJACKIE McLEANによる熱いフロントに注目です。
そもそもライブで演奏する場合、テンポやリズム、調性などを気にして選曲するものですが、このライブは全曲アップテンポで頭から最後まですごい疾走感で駆け抜けます。
テンポやリズムの変化なしに最初から最後まで聴かせる事ができるのは音楽そものもに力がある証拠でしょう。

合わせて他の曲のコード進行を拝借した所謂「替え歌」を含めてJACKIE McLEANのオリジナルが素晴らしいです。
個人的にはフロントの2管が不思議な和音とコール&レスポンスが印象的な3.MINOR MARCHを愛聴しています。
バッキングの3人もとてもドライブしており、ここでのPAUL CHAMBERSの疾走感はモダン・ジャズ・ベースの模倣的なベースだと常々感じます。

もしこの時代に戻ることができてこんなライブを体験できればどんなに素晴らしいか・・・と感じる一方で現在の音楽シーンにこのような力が感じられない状況を悲しく思います。

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by deaconred | 2006-02-08 23:00 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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