人気ブログランキング | 話題のタグを見る

EXPLORATIONS

久しぶりに課題曲のお話。

課題曲はビル・エヴァンスの演奏で知られる「イスラエル」という曲。

マイナー調(Key=Dm)の曲調で、とても耽美な曲です。

この雰囲気だけで難しい曲をどう料理するのか??

やはり参考にするのはビル・エヴァンス・トリオの演奏でしょう。
今晩もピアノ・トリオです。
EXPLORATIONS_f0062463_0522893.jpg
**************************************************
EXPLORATIONS/BILL EVANS
(1961年録音)

BILL EVANS:pf
SCOTT LA FARO:b
PAUL MOTIAN:ds

1.ISRAEL
2.HAUNTED HEART
3.BEAUTIFUL LOVE(take 2)
4.BEAUTIFUL LOVE(take 1)
5.ELSA
6.NARDIS
7.HOW DEEP IS THE OCEAN
8.I WISH I KNEW
9.SWEET AND LOVELY
10.THE BOY NEXT DOOR

**************************************************

→ビル・エヴァンスと言えば、ピアノ・トリオ。ピアノ・トリオといえばビル・エヴァンス。
日本で最も愛されているジャズ・ピアニストがビル・エヴァンスではないでしょうか。

ビル・エバンスは多くの作品を残していますが、中でもピアノ・トリオ形態の録音が圧倒的に人気があります。
また、彼のトリオの中で、スコット・ラファロ、ポール・モチアンを迎えたトリオは最も人気のあるトリオです。

「EXPLORATION」の意味を調べてみると”探査”、” 踏査”、” 探検”という意味でした。
これはこの作品を表現するのにぴったりなタイトルだと思います。

そもそもビル・エヴァンスのピアノはクラシカルであったり、リリカルであったりと「内面的」なスタイルです。
ジャズに肉体や精神といった概念があるのかは分かりませんが、どんどん内に潜っていく、内なる世界を探求する、内なる世界と対話する、そんなピアノを聞かせてくれます。

演奏されている曲はどれもスタンダードばかりなのですが、この思慮深いピアノが、それまでにないスタンダードの魅力を表現しています。

さて、今日の課題曲は1.ISRAELです。
この曲は奇才ギル・エヴァンスとマイルス・デイビスが組んだ歴史的名盤「クールの誕生」で有名になった曲です。
もとはマイナー・ブルースの曲で12小節しかありません。
この1.ISRAELをトニー・スコットのバンドで始めて演奏したビル・エヴァンスはすぐさま自己のトリオで録音します。

この曲を演奏する上で、非常に困るのは最初の4小節です。
ブルースを基本としているので、最初の4小節はⅠm7を基本としているのですが、この曲では
/Dm/Dmaug/Dm6/D7/
とアレンジされ、根音がDでありながら、コードの外の音がA、A♯、B、Cと半音階で上がっていきます。
こういうクリシェ的な進行は得意ではありません。
特にこの曲のようにメロディと曲のイメージが出来上がってる曲では冒険するわけにも行かず、安易にDを弾き続けるか、半音上がるように弾くのか、迷ってしまい中途半端になってしまうのです。
基本がブルースであるはずなのにコード感が掴むのが難しく、ベース・ラインもアドリブも苦手な曲なのです。
しかし、曲はすごく綺麗な曲ですね。

今回、上記リンク先に映像を見つけたのでCD以外の演奏を聴くことが出来たので、CDと動画を聞き比べて勉強したいと思います。
ジャズに馴染みのない人も是非、聞いてみてください。
1.ISRAELは5分20秒ぐらいの演奏です。

↓ポチっとクリックしていただければ励みになります~↓
にほんブログ村 音楽ブログ PV・CDレビューへ
by deaconred | 2008-07-03 22:30 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred