6TH

無意識に体が欲している音楽というものを認識するときがあります。
経験上、精神状態が良くないとき、現実の世界で壁にぶち当たったとき、上手く行かずに悶々としているとき、そんな状態のときに認識してきたように感じます。

最近、少し混沌とした音楽を欲しているような感じがしており、久しぶりに「カンタベリーの森」へ足を踏み入れてみました。

そうしたら戻って来れなくなりました(笑)
道しるべにしていたパンを鳥が食べてしまったようです(違)

なかなか戻れなくなっていますが、深く聴けば聴くほどその世界にのめりこんで行きます。
恐るべし・・・カンタベリーの森・・・
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6TH/SOFT MACHINE
(1973年作品)

1.FANFARE
2.ALL WHITE
3.BETWEEN
4.RIFF
5.37 1/2
6.GESOLREUT
7.E.P.V.
8.LEFTY
9.STUMBLE
10.5 FROM 13
11.RIFF II
12.THE SOFT WEED FACTOR
13.STANLEY STAMPS GIBBON ALBUM
14.CHLOE AND THE PIRATES
15.1983


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→「ロック」と「ジャズ」のプログレッシブな融合、カンタベリー・シーンを代表するバンド、ソフト・マシーンの6作目です。
ソフト・マシーンの作品はそのまま数字を使っているので分かりやすいですね。

ソフト・マシーンというバンドは実に興味深いバンドです。
イギリス南東部のケント州にカンタベリーという街があり、1960年代にその街を中心として集まった若者達から退廃的・ダダ的なサウンドにジャズなど色々な要素を持ち込み、独特なプログレッシブ・サウンドを生み出しました。
そのサウンドは人脈を通じて世界的規模へと発展していき、プログレというジャンルの中に「カンタベリー・ミュージック」というサウンドを確立してきました。

そのカンタベリー・シーンの中で代表的なバンドが、このソフト・マシーンなのです。
この「ソフト・マシーン」というバンド名は、ビートニク文学の巨匠、ウイリアム・バロウズの「裸のランチ」から命名されています。
ビートニク派ミュージックが好きな人にはお馴染みの小説ですね。
私の敬愛するSTEELY DANも「裸のランチ」からバンド名を取っています。

ソフト・マシーンといえば、その結成のきっかけとなったフランス人ヒッピーで後にゴングを結成するデヴィッド・アレン、ロック界の仙人で、以外にもブライアン・イーノの「アンビエント」でピアノを弾いているロバート・ワイアット、正式メンバーではありませんが後にポリスを結成するアンディー・サマーズなどロック界にその名を残すミュージシャンを排出しています。

この6THでは、もう初期のサイケディックなサウンドは影を潜め、バリバリのジャズ・ロックを展開しています。
発売当初はLP二枚組みで、ライブ録音とスタジオ録音という構成です。
CDでは1枚にまとめられています。

発売されたのが1973年ということで、まだまだジャズ/フュージョンの時代ではありませんが、この時代にバリバリとジャズ・ロックをやっているということはプログレにとって非常に重要なことだと思います。
「ロックの拡張」という意味でジャズ的な和音、コード進行、即興性というキーワードは非常に意味のある実験でした。
興味深いのは本当のジャズ・シーンにおいて1970年に新しい試みが出来ているのか?と考えてみれば、60年代のモード、フリーから新たな方向性を見出すことができていなかったと言えるでしょう。
そんな中、ロックにおいて「ロック+ジャズ」という融合がジャズよりも音楽的にテンションの高い「ジャズ」を演奏しているという点が最も重要なことだと思います。

ライブ盤ではほぼノンストップに演奏が続きます。
全体的に「混沌」としたサウンドなのですが、その混沌が刻々と変化を見せて一種の秩序へと向かう瞬間、一種の秩序になった瞬間が恍惚です。
リズムは4ビートではなく、ベースはラインを刻むのではなくリフを多様しています。
その規則正しいリフの上で無秩序(のよう)に音を出すサックスや鍵盤が独特の浮遊感を出しています。
丁度その頃の動画がアップされていたので載せておきます。8分ぐらいですが、是非ご覧ください。

スタジオ録音では実験的な曲が続きます。
中でも11.RIFF IIは今で言うミニマム・ミュージック的なアプローチで面白い曲だと思います。
こういったアプローチがプログレの中にもあるのだな・・・と関心です。

「ロック」と「ジャズ」のプログレッシブな融合を成しえたソフト・マシーンの音楽は当時のUKシーンに大きな影響を与えたました。
聴けば聴くほどその森から抜け出せそうにありません。

この混沌こそ、真の秩序と言えるでしょう。

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Commented by hamako_4 at 2008-07-29 21:55
カンタベリー系、ソフト・マシーンとメンバーソロしか聴いてなくって、他がほんとに未経験なんですよ~。キャラヴァンですら
「ピンクとグレイ」しか持ってないんです!
ソフト・マシーン、個人的に好きなのはベタですが3rdまでです。と、言うか聴きやすいから(笑)!7枚目までは一応持ってるんですけど、それ以降ってどうなんでしょう…?

>ウイリアム・バロウズ
これは、偶然にもバロウズの影をいつも感じてしまいますよね。
実際読むと、わけわからないけど。。。
Commented by deaconred at 2008-07-29 23:43
>yoiko(hamako_4)さん

お疲れ様です~
キャラバンは「ピンクとグレイ」が一番ですが、その他の作品もすばらしいですよ。
私は後、マッチング・モールとか・・・ハットフィールド・アンド・ザ・ノースとか聴きますね~
同じく後期のソフトマシーンよりも3ぐらいまでがいいですよね。
やっぱりロバート・ワイアットの存在は大きいですね。
もしかしてヒュー・ホッパーの「1984」お持ちですか??
これ探してもう10年は経ちますが、未だに出会えていません^^;
そろそろ最終手段のネットで買おうかと思っています・・・

バロウズ影響下の音楽は私を満たしてくれる音楽ばかりです。
さすがに小説は難解すぎて読みませんがね・・・^^;
by deaconred | 2008-07-23 23:34 | Rock(70年代) | Trackback | Comments(2)

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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