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VERY

最近、あまりハッピーな出来事がなかったのですが、久々に超ハッピーな出来事がありました!

やっぱり人生って素晴らしい(ベタ)

某有名人の言葉ですけど、人生なんてつまらないものなのですよね。だからこそ自らが面白くしなければならない、そこに人生の醍醐味があるわけで・・・

凄く納得できます。

私は今までの人生で音楽に救われたことが多々あります。
最近では、前向きになれる!元気になれる!といったOLが好みそうな音楽が流行っている?ようですが、そういう意味の救いではありません。

今晩は「こんな汚れた世界だけど頑張って生きていれば良いこともあるんだよ」とデビュー以来歌い続けてきた英国屈指の皮肉家デュオの名盤を聴いてみたいと思います。

やっぱり人生って素晴らしい(しつこい)
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VERY/PET SHOP BOYS
(1993年作品)

1.CAN YOU FORGIVE HER?
2.I WOULDN'T NORMALLY DO THIS KIND OF THING
3.LIBERATION
4.DIFFERENT POINT OF VIEW
5.DREAMING OF THE QUEEN
6.YESTERDAY,WHEN I WAS MAD
7.THEATRE
8.ONE AND ONE MAKE FIVE
9.TO SPEAK IS A SIN
10.YOUNG OFFENDER
11.ONE IN A MILLION
12.GO WEST

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→私の青春の一枚、英国発ピコピコポップデュオ、ペット・ショップ・ボーイズの名盤です。

ペット・ショップ・ボーイズの音楽は、音楽的には平凡、歌詞はベタな英国流皮肉、そこに常に最先端を行くピコピコ的センス、が特徴です。

1985年に「WEST END GIRLS」で大ヒットを飛ばし、大衆の「一発屋だろ?」と思われていましたが、もうデビュー20周年を超えました。
これは上記に書いたとおり「最先端のピコピコ的センス」が彼らが20年以上活動して凝れた理由だと思います。

1990年に発売された「BEHAVIOUR」では音楽的に自分たちのやりたい音楽を掴んだようですが、歌詞やサウンドが非常に内向的でした。
しかし、この「VERY」では内向的志向の音楽から一転、どこまでも「ポップな」作品に仕上がっています。

この作品のポップさを最も表現しているのはジャケットでした。
初夏限定版はレゴブロックのような凹凸のあるオレンジ色のケースで、見ているだけで芸術的です。
実際、あの素晴らしいジャケットはニューヨーク近代美術館に飾られるほどです。
(私もこの初回限定持っていますが、スキャンできないので廉価版のジャケット掲載しています)
あれほど地味だった前作のジャケットから考えれば、すごいイメージチェンジです。
高校時代、目立たなかったクラスメイトが大学デビューしてしまった感じですね。

さらに衣装もかなり奇抜。
1.CAN YOU FORGIVE HER?のPVでは全身オレンジにトンガリ帽子・・・これこそまさにPSB的ポップワールド。
当時はネットもなく、発売されたVHSで映像見たときにぶっ飛び感は未だに忘れられません。
しかしこんなポップな感じですが、歌詞は「彼女を許せる?それとも復讐したいの?」と重いテーマです。

2.I WOULDN'T NORMALLY DO THIS KIND OF THINGはこの作品の中で最もポップだと思える曲です。
邦題は「いつもはこんな僕じゃない」とこれまた重いテーマ。
PVは60年代のスインギンな感じが印象的。なぜかビデオの途中では日本の格闘技ゲームみたいなことを始めるのが面白いですね。はじめてみたとき笑ってしまいました。

3.LIBERATIONは前作からの流れを汲んで少し内向的な曲。
エレクトロニカ的な浮遊感というのは時代を先取りしていたと思います。
PVは当時ではまだまだ高価だったCGをフル採用。数学的に広がる幾何学模様と曲のイメージがピッタリあっていて素晴らしいの一言です。

4.DIFFERENT POINT OF VIEWはコーラスのメロディラインが印象的。

僕が言いたかったのは「愛してる」の一言だったのに
でも君は今その一言でさえ信じられないなんて言う
君と僕は違う、まるで違う視点を持っているんだね

5.DREAMING OF THE QUEENは英国人でしか書けない曲でしょう。
夢で見た女王を通して愛の深さについて歌う。調べていませんが、当時の英国では問題作だったのではないでしょうか?
インスパイアされているダイアナ妃は残念ながらお亡くなりになりました・・・・

6.YESTERDAY,WHEN I WAS MADはこの作品で一番好きな曲ですね。
自分の中にある狂気との会話というか・・・陰陽の対比が面白い歌詞です。歌い方、サウンドでもその対比をしっかりしているところがスバラシイです。

8.ONE AND ONE MAKE FIVEは足し算の曲ですね。1+1=5?

12.GO WESTは最も知られているPSBの曲ではないでしょうか?
その曲がPSBのオリジナルでないというのは少し残念です^^;
この曲は1970年代まだ同性愛に寛容でなかったニューヨーク市を拠点としたゲイグループ、ヴィレッジ・ピープル が、ゲイのメッカであるサンフランシスコへの憧れを歌った曲のカヴァーですね。メンバーの二ール・テナントの嗜好の表れなのでしょうか?
またこの曲では社会主義リアリズム的な表現が用いられていることも興味深いです。
衣装もまたまた不思議な感じになっていますね。

この作品をきっかけにPSBは更なる進化をしてきたと思っています。
1999年に発売された「NIGHTLIFE」は2000年以降のエレクロニカに大きな影響を及ぼしました。
その布石となったこの作品は確実に90年代の名盤と言えるでしょう。
100年後の評価が楽しみです。

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by deaconred | 2008-07-29 23:32 | Electoronica

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred