THE MAN MACHINE

このブログを始めるにあたって悩んだのはカテゴリー分けでした。
音楽のジャンルというのは聴き手が判断することなので一概に言えないと思っていて簡潔に分類するには時間が掛かるかもしれません。
特に苦労するのは「テクノ」と呼ばれるジャンルでこれにはアンビエント、トランス、ハウス、テクノ・ポップ等々いろいろなジャンルが入り交ざっておりジャンル分けが難しいと思います。
ここでは基本的にそのような音楽を「Electoronica」と表現して分類していきたいと思います。
そんな「Electoronica」の中ではずせないグループを今宵は聴いてみましょう。

人間解体。

人間が演奏するテクノとは最高にクールです。
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THE MAN MACHINE/KRAFTWERK
(1978年作品)

1.THE ROBOTS
2.SPACELAB
3.METROPOLIS
4.THE MODEL
5.NEON LIGHTS
6.THE MAN MACHINE

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→KRAFTWERKの代表作にしてエレクトロ・ポップの原点です。邦題はなぜか「人間解体」でKRAFTWERKはこの作品でついに言ってしまいます。

「We are the robots」(笑)

いきなり私見で申し訳ないですが、西洋哲学の大きな流れの一つに「個人の捉え方」と言うものがあります。その思想はルネッサンス以降発展していくわけで、理性をもってして人間個人、社会自身、国家自体が自由になれば人間は幸せだ!と考えられてきました。つまり体制から自由を奪うという事が歴史を動かす原動力となっていたわけです。
しかし、実際にその思想が現実的になった20世紀前半ってのは戦争しか起こらなかったわけで、19世紀の夢は20世紀の悪夢だったわけです。

今でも個性とか個人という問題は非常に難しい問題ですが、その西洋の哲学の流れを否定した哲学ってのが20世紀に現れます。それこそ「ロシア構造主義」です。

この思想は平たく言ってしまえば所詮人間なんてものは社会や世界を構成してしまう「一部品」に過ぎないって考え方で「個人」も「個性」も無意味で関係ないわけです。
KRAFTWERKのメンバーの思想というのは詳しくは知りませんが(原発には反対ですね)この構造主義的思想には多少の影響を受けていたようです。
KRAFTWERKの言う「マン・マシーン」思想というのもロシア構造主義から影響を受けていて人間の欠点を機械が補い、機械の欠点を人間が補う事で「完全な」システムを作り上げるというものでした。特に航空産業においてマン・マシーン思想は浸透していったようです。
余談ですが、そのマン・マシーンを追求した結果が「自転車」って言うところがKRAFTWERK(というかRALF HUTTER)らしいです。

この構造主義とマン・マシーンという視点はこの「人間解体」を聞くうえで非常に重要なファクターだと思います。

音楽的にはこれほど無機質な音が人間臭いなんて!という音。とにかく音数が少ないのに驚きです。このアレンジの巧こそこのアルバムの最大の魅力だと思います。すべての音に意味がありすべての音が共鳴しあっています。

ジャケットからもロシア構造主義を意識してます。もう少し美術的な視点から見ると構造主義から派生したダダイズムの影響がロゴにも見受けられると思います。

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by deaconred | 2006-02-22 23:30 | Electoronica

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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