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THE REAL McCOY

ピアノという楽器は実に不思議な楽器で演奏者によってその表情を無限に変化させます。

Jazzを聴くときにピアニストが誰か?ということは私にとって非常に大切で、好きなピアニストが参加しているだけで買ってしまったCDは何枚もあります。

今日、聴いているピアニストは独特の和声感覚で「宙」に浮いた感覚がとにかく素晴らしいですね。

本当に「REAL」な彼のピアノはこの作品で聴く事が出来ます。

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THE REAL McCOY/McCOY TYNER
(1967年録音)

JOE HENDERSON:ts
McCOY TYNER:pf
RON CARTER:b
ELVIN JONES:ds

1.PASSION DANCE
2.CONTEMPLATION
3.FOUR BY FIVE
4.SEARCH FOR PEACE
5.BLUES ON THE CORNER

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→JOHN COLTRANEの黄金カルテッドを支えたピアニストが名門ブルー・ノートへ移籍して録音した名盤です。

JOHN COLTRANEが黄金カルテッドの活動を停止させ、途方に暮れていたMcCOY TYNERに救いの手を差し伸べたのがブルー・ノートと言うめぐり合わせだけでも十分歴史的名盤だと思うのですが、その期待以上にMcCOY TYNERのピアノ、コンポーズが素晴らしく泣けてきます。

McCOY TYNERのピアノというのは繊細にして剛胆であり、いかなる偉大なジャズメンの中でも自分の音を出せるピアニストでそのキラキラとした和音と独特と和声感覚にはいつも驚かされます。
勿論、その音楽の背景にはJOHN COLTRANEの影響が強いのでしょうが本作品はいい意味でJOHN COLTRANEの「呪縛」から解き放たれて「REAL」なMcCOY TYNERに触れることができるでしょう。

力を貸したブルー・ノートの期待はメンバー構成を見れば一目瞭然で当時、新主流派のテナーとして名の売れていたJOE HENDERSONをはじめ、今でもベース界の頂点を行くRON CARTERに黄金カルテッドをともにしたELVIN JONESと一流のメンバーが揃っています。
特に気の知れあったELVIN JONESのシンバル・ワークが素晴らしく、独特のピアノに独特なスイング感が加わり実に斬新で革新的です。

とにかくMcCOY TYNERのオリジナルである1.PASSION DANCEと3.FOUR BY FIVEが素晴らしいです。67年という年代からも分かるとおり若干の閉塞感が漂い始めた時代にもかかわらず生命力溢れる楽曲で純粋な「PASSION 」を感じますね。
同じくブルー・ノートらしいデザインのこのジャケットも非常に力があり好きです。やはり名盤には素晴らしいジャケットが似合います。

因みにいろいろ調べてみるとタイトルの「THE REAL MCCOY」とは、「こりゃ、本物だ」という時によく使う米俗語であり、洒落になっているそうです。
このあたりもブルー・ノートらしいですね。

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by deaconred | 2006-02-23 23:30 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred