黒船

キリンラガーの06年テレビCMの発表が29日、横浜市内で行われた。今CMは「発売110年を超えても愛される」をテーマに、永遠に色あせない、いいモノがテーマ。日本のハードロックバンドの先駆として、70年代に活躍した「サディスティック・ミカ・バンド」を起用し、ボーカルに木村カエラ(21)を迎えて17年ぶりに再結成することになった。

 CMでは、木村のボーカルで同バンドの代表曲「タイムマシンにお願い」を披露。木村のボーカルは、加藤和彦(58)が決めたそうで「歌がうまくてインテリジェントで、ぶっ飛んでるから」という。木村も「すっごい歌いやすかった」と満足そう。CMは2月25日から放送。


このCMを最近見ました。
正直、ファンとして辛いです。やめてくれぇぇ~
そんなわけで本元聴いて癒されます。

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黒船/サディスティック・ミカ・バンド
(1974年録音)

1.墨絵の国へ
2.何かが海をやってくる
3.タイムマシンにおねがい
4.黒船(嘉永6年6月2日)
5.黒船(嘉永6年6月3日)
6.黒船(嘉永6年6月4日)
7.よろしくどうぞ
8.どんたく
9.四季頌歌
10.塀までひとっとび
11.颱風歌
12.さようなら

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→サディスティック・ミカ・バンドは本格的に海外でも発売された日本初のロック・バンドです。
当時のメンバーは加藤和彦、ミカ、高橋幸宏、高中正義、小原礼という日本のロックシーンを引っ張ってきた大物ばかり・・・今見ると凄いメンバーですね。
さらにこの作品はROXY MUSICやPINK FLOYDなどを手がけた名プロデューサーCHRIS THOMASをプロデューサーに迎え、とても日本のロックとは思えないほど質の高い音楽に仕上がっています。

この作品は本格的に海外で発売された日本のロックにふさわしい(?)コンセプトでテーマにしているのは明治時代のモダンな日本。文明開化の匂いがします。
中のアートワークも明治時代の日本をテーマに長崎の出島や浮世絵などが描かれ非常にモダンです。CHRIS THOMASも武士の格好をしています(笑)

曲は歌とインストが半分ぐらいで70年代らしくFusionからの影響も感じられますね。ギターの音色が70年代らしくて好きです。
歌では3.タイムマシンにおねがいが有名です。木村カエラもこの曲を歌っていましたね。
ただタイムマシンに乗っていろんな時代に行くという歌ですが、ジュラ紀から明治維新までとなかなか面白いですね。
個人的に好きなのは「日曜日」について歌っている8.どんたくです。
かつて「日本資本主義の精神」という本で勤勉と佛教の関連性ついて読んだのですが、江戸時代の日本人って休みなく働いていたわけで明治時代に入ってきた「日曜日」という概念は新しかったのでしょうね。
この曲を聴きながら日曜日が日本に導入されて良かった~と常々感じています(笑)

なんだか木村カエラのおかげで彼らのテンションも上がりこの勢いでツアーだ!と意気込んでいるらしいですが、まぁファンとしては非常に複雑な心境ですね。
皆様、是非オリジナルのミカ・バンドを聴いて下さい♪

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# by deaconred | 2006-02-26 23:30 | Rock(other) | Trackback | Comments(6)

THE REAL McCOY

ピアノという楽器は実に不思議な楽器で演奏者によってその表情を無限に変化させます。

Jazzを聴くときにピアニストが誰か?ということは私にとって非常に大切で、好きなピアニストが参加しているだけで買ってしまったCDは何枚もあります。

今日、聴いているピアニストは独特の和声感覚で「宙」に浮いた感覚がとにかく素晴らしいですね。

本当に「REAL」な彼のピアノはこの作品で聴く事が出来ます。

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THE REAL McCOY/McCOY TYNER
(1967年録音)

JOE HENDERSON:ts
McCOY TYNER:pf
RON CARTER:b
ELVIN JONES:ds

1.PASSION DANCE
2.CONTEMPLATION
3.FOUR BY FIVE
4.SEARCH FOR PEACE
5.BLUES ON THE CORNER

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→JOHN COLTRANEの黄金カルテッドを支えたピアニストが名門ブルー・ノートへ移籍して録音した名盤です。

JOHN COLTRANEが黄金カルテッドの活動を停止させ、途方に暮れていたMcCOY TYNERに救いの手を差し伸べたのがブルー・ノートと言うめぐり合わせだけでも十分歴史的名盤だと思うのですが、その期待以上にMcCOY TYNERのピアノ、コンポーズが素晴らしく泣けてきます。

McCOY TYNERのピアノというのは繊細にして剛胆であり、いかなる偉大なジャズメンの中でも自分の音を出せるピアニストでそのキラキラとした和音と独特と和声感覚にはいつも驚かされます。
勿論、その音楽の背景にはJOHN COLTRANEの影響が強いのでしょうが本作品はいい意味でJOHN COLTRANEの「呪縛」から解き放たれて「REAL」なMcCOY TYNERに触れることができるでしょう。

力を貸したブルー・ノートの期待はメンバー構成を見れば一目瞭然で当時、新主流派のテナーとして名の売れていたJOE HENDERSONをはじめ、今でもベース界の頂点を行くRON CARTERに黄金カルテッドをともにしたELVIN JONESと一流のメンバーが揃っています。
特に気の知れあったELVIN JONESのシンバル・ワークが素晴らしく、独特のピアノに独特なスイング感が加わり実に斬新で革新的です。

とにかくMcCOY TYNERのオリジナルである1.PASSION DANCEと3.FOUR BY FIVEが素晴らしいです。67年という年代からも分かるとおり若干の閉塞感が漂い始めた時代にもかかわらず生命力溢れる楽曲で純粋な「PASSION 」を感じますね。
同じくブルー・ノートらしいデザインのこのジャケットも非常に力があり好きです。やはり名盤には素晴らしいジャケットが似合います。

因みにいろいろ調べてみるとタイトルの「THE REAL MCCOY」とは、「こりゃ、本物だ」という時によく使う米俗語であり、洒落になっているそうです。
このあたりもブルー・ノートらしいですね。

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# by deaconred | 2006-02-23 23:30 | Jazz | Trackback | Comments(2)

THE MAN MACHINE

このブログを始めるにあたって悩んだのはカテゴリー分けでした。
音楽のジャンルというのは聴き手が判断することなので一概に言えないと思っていて簡潔に分類するには時間が掛かるかもしれません。
特に苦労するのは「テクノ」と呼ばれるジャンルでこれにはアンビエント、トランス、ハウス、テクノ・ポップ等々いろいろなジャンルが入り交ざっておりジャンル分けが難しいと思います。
ここでは基本的にそのような音楽を「Electoronica」と表現して分類していきたいと思います。
そんな「Electoronica」の中ではずせないグループを今宵は聴いてみましょう。

人間解体。

人間が演奏するテクノとは最高にクールです。
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THE MAN MACHINE/KRAFTWERK
(1978年作品)

1.THE ROBOTS
2.SPACELAB
3.METROPOLIS
4.THE MODEL
5.NEON LIGHTS
6.THE MAN MACHINE

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→KRAFTWERKの代表作にしてエレクトロ・ポップの原点です。邦題はなぜか「人間解体」でKRAFTWERKはこの作品でついに言ってしまいます。

「We are the robots」(笑)

いきなり私見で申し訳ないですが、西洋哲学の大きな流れの一つに「個人の捉え方」と言うものがあります。その思想はルネッサンス以降発展していくわけで、理性をもってして人間個人、社会自身、国家自体が自由になれば人間は幸せだ!と考えられてきました。つまり体制から自由を奪うという事が歴史を動かす原動力となっていたわけです。
しかし、実際にその思想が現実的になった20世紀前半ってのは戦争しか起こらなかったわけで、19世紀の夢は20世紀の悪夢だったわけです。

今でも個性とか個人という問題は非常に難しい問題ですが、その西洋の哲学の流れを否定した哲学ってのが20世紀に現れます。それこそ「ロシア構造主義」です。

この思想は平たく言ってしまえば所詮人間なんてものは社会や世界を構成してしまう「一部品」に過ぎないって考え方で「個人」も「個性」も無意味で関係ないわけです。
KRAFTWERKのメンバーの思想というのは詳しくは知りませんが(原発には反対ですね)この構造主義的思想には多少の影響を受けていたようです。
KRAFTWERKの言う「マン・マシーン」思想というのもロシア構造主義から影響を受けていて人間の欠点を機械が補い、機械の欠点を人間が補う事で「完全な」システムを作り上げるというものでした。特に航空産業においてマン・マシーン思想は浸透していったようです。
余談ですが、そのマン・マシーンを追求した結果が「自転車」って言うところがKRAFTWERK(というかRALF HUTTER)らしいです。

この構造主義とマン・マシーンという視点はこの「人間解体」を聞くうえで非常に重要なファクターだと思います。

音楽的にはこれほど無機質な音が人間臭いなんて!という音。とにかく音数が少ないのに驚きです。このアレンジの巧こそこのアルバムの最大の魅力だと思います。すべての音に意味がありすべての音が共鳴しあっています。

ジャケットからもロシア構造主義を意識してます。もう少し美術的な視点から見ると構造主義から派生したダダイズムの影響がロゴにも見受けられると思います。

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# by deaconred | 2006-02-22 23:30 | Electoronica | Trackback | Comments(8)

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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