COURAGE

自分の「身体」のパーツについて特に思い入れはなく特に強いコンプレックス(?)もないですが、唯一変えられるとしたら声を変えたい・・・とときどき思います。
誰にでも経験はあるでしょうが録音された自分の声ほど衝撃的なものはありません。
なんでも頭の中で響いた音を鼓膜が拾っているので自分の声には格差があるそうです。
うーん・・・頭の中で聴こえる私の声は自分の好きな声なのですが・・・。

音楽の中に溢れる「声」なんて候補に挙げたいものがたくさんありすぎますので最近、お気に入りの「声」をお届けします。

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COURAGE/MILTON NASCIMENTO
(1967年作品)

1.BRIDGES
2.VERA CRUZ
3.TRES PONTAS
4.OUTUBRO
5.COURAGE
6.RIO VERMELHO
7.GIRA GIROU
8.MORRO VELHO
9.CATAVENTO
10.CANCAO DO SOL

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→「ブラジルの声」と言われたMILTON NASCIMENTOの米国進出第1作目。

今回もジャンルのお話からで申し訳ないですが、本質的にMPB(Musica Popular Brasileiraの略で「ブラジル・ポピュラー・ミュージックの略」)とBossaNovaは違う音楽なのでMPBを代表するMILTON NASCIMENTOをBossaNovaに分類するのは間違っているのでしょうが、カテゴリーの分類上ご了承ください。

MILTON NASCIMENTOがブラジルのマイナー・レーベルからデビューして2作目に米国進出できたのはEUMIR DEODATOがCTIレーベルのCREED TAYLORに推挙したことがキッカケです。
CTIからリリースされた本作品は当時専属アレンジャーだったEUMIR DEODATOのアレンジとREED TAYLORの見事なプロデュースによりコンテンポラリーな作品に仕上がっています。
CTIがJazz系のレーベルということもあり、本作品にはHERBIE HANCOCKが参加している点が見逃せません。これほど目立たないHERBIE HANCOCKのプレイが聴けるのもこの作品の魅力です。

さて、MILTON NASCIMENTOと言えば本作品に収録している2.VERA CRUZが有名ですが、それより言及されるべきはポルトガル語で綴られた1.BRIDGESでしょう。
優しいギターのリズムに「ブラジルの声」と言われたMILTON NASCIMENTOの声が重なり、あえて英語ではなく原語のポルトガル語で歌われたこの曲は内向的な曲調でありながら見事にグルーヴし、コーラスではストリングスと高音域の歌声が響きあい非常にクオリティの高い作品です。
作品全体の背景にはブラジル音楽の原型であるChoroやSambaなどの影響が強く、その素材にEUMIR DEODATOのアレンジ、さらにJazz系ミュージシャンの感性が加わりこれほどの作品が完成したのでしょう。

プログレッシブ英和中辞典によると「courage」とは「精神的な勇気」
まさにその名にふさわしい気高い作品です。

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# by deaconred | 2006-02-15 14:00 | BossaNova

REPUBLIC

ROCKとは何か?という問いは非常に難しい問いだと思います。
少なくとも「古典音楽の脱却」と言う答えを自分の中では持っていますが、ROCKは20世紀の文化に根を深く伸ばし、純粋に音楽の部分で説明できるものではなくなってしまったのかも知れません。

ROCKを定義する上でひとつ重要になるのがその「精神」でしょう。
その「精神」を音楽的に反映させるかその人の生き方に反映させるかビジュアルに反映させるかはそのスタイルによって規定させるのでしょうがそこになんらかの「精神」を持っている以上、それはROCKと呼べるのだと思います。

ROCKの歴史を紐解くと1960年代後半に勃興したPROGRESSIVE ROCKから1970年代後半に勃興したPUNK ROCKまでに非常に興味があるのですが、どちらの音楽の精神も現代まで引き継がれているように感じます。

PUNK ROCKに影響をうけたこの「バンド」はそんなROCKな精神を宿した音楽を今も続けている数少ないバンドでしょう。

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REPUBLIC/NEW ORDER
(1993年作品)

1.REGRET
2.WORLD
3.RUINED IN A DAY
4.SPOOKY
5.EVERYONE EVERYWHERE
6.YOUNG OFFENDER
7.LIAR
8.CHEMICAL
9.TIMES CHANGE
10.SPECIAL
11.AVALANCHE

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→カテゴリー的はElectoronicaに分類したほうがいいのでは?というぐらいElectoronica色が強いNEW ORDERですが、このバンドは紛れもなくROCKの精神を宿した「バンド」なのでROCKのカテゴリーに分類します。

1980年代を背負ってたつほどのカリスマ性を持ったIAN CURTISを自殺という最悪の形で失ったJOY DIVISIONは「誰かだ抜ければバンド名を改名する」という約束のもと「NEW ORDER」と改名して活動を再開。
大胆な電子音を導入したROCKで80年代のシーンを牽引しました。

この作品は各メンバーのソロ活動が目立って実質的には解散しているのでは?と思われていた時期に突然発表された作品で、改めて彼らがROCKなバンドだ、と再認識できる作品です。

ご存知の通り、NEW ORDERはIAN CURTISの死を引きずり、内向的な内容を歌ってきましたが、この作品でもその路線(?)で作られています。
最初にシングル・カットされた曲は「REGRET」


I would like a place I could call my own
Have a conversation on the telephone
Wake up every day that would be a start
I would not complain of my wounded heart
I was upset you see
Almost all the time
You used to be a stranger
Now you are mine

自分の場所と言えるような所が欲しい
ゆっくりと電話ができるような
毎日目を覚まし一日のスタートを切れるような
傷ついた心について小言をいっているじゃない
ただろうばしいだけさ
殆どの時は以前の君は見知らぬ人だった
今の君は僕のもの


このサビを聴くだけで涙が出てしまいます。
この曲がNEW ORDERだ、と言ってもいいぐらいすばらしい曲ですね。
この曲には引きずる死の影からバンドのメンバーを救う慈愛の英知にあふれ、ROCKの精神にて彼らの感情を吐き出すことでより曲がより高度な次元へ昇華しているように感じます。

これこそ「音楽の力」でしょう。
そしてそんな力に満ちた音楽が1990年代に「REPUBLIC」というタイトルにて発表されることに意味があると感じます。

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# by deaconred | 2006-02-10 23:13 | Rock(90年代)

ORANGES&LEMONS

最近は「個性の時代」、「自分らしさ」、「自分探し」と言うような言葉をよく聴くようになりましたが、私にはどうもよく分かりません。
そもそも「人とは違う」と言う事はどういうことなのでしょうね。

表現するという行為に「自分らしさ」が必要ならこのブログには「私らしさ」が必要なのでしょう(苦笑)
うーん、、このブログ、まだ始めたばかりですが「私らしさ」出ているのでしょうか?(笑)

「らしさ」という表現はとても難しいものですが、音楽に関して言えば「英国らしい」ロックやポップスというのは確実に存在すると思います。

「英国らしい」ロック・ミュージックとは?

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ORANGES&LEMONS/XTC
(1989年作品)

1.GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS
2.THE MAYER OF SIMPLETON
3.KING FOR A DAY
4.HERE COMES PRESIDENT KILL AGAIN
5.THE LOVING
6.POOR SKELETON STEPS OUT
7.ONE OF THE MILLIONS
8.SCARECROW PEOPLE
9.MERELY A MAN
10.CYNICAL DAYS
11.ACROSS THIS ANTHEAP
12.HOLD ME MY DADDY
13.PINK THING
14.MINIATURE SUN
15.CHALKHILLS AND CHILDREN

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→XTCの音楽を聴けば「英国らしさ」というのがすぐに理解できるでしょう。

なぜ世界における「ロック」が英国と米国のロックを指すのか?という問題は20世紀のロック史を考える上で非常に重要な問題だと思うのですが、両国とも「自国の文化」に基づく音楽をしていたという点では共通していており、そこが世界に通用した要因の一つではないか?と考えています。
すなわち米国における文化とは「大量生産・大量消費」で英国における文化とは「シニシズム」です。

「シニシズム」という視点で英国ロック史を見てみるとTHE BEATLESをはじめ数々のミュージシャンに「シニシズム」を感じます。
そういう点では「英国らしさ」とは「シニシズム」である。と言えるかもしれません。
その変わりやすい天候、貴族階級と労働者階級の格差、英国の文化にはこういった問題を皮肉にて風刺する傾向があり、その文化は英国のロックに深く浸透しています。

XTCはパンクの嵐吹き荒れる1970年代後半にデビューした生粋の英国人ロックバンドで、その独特のひねくれたポップセンスでシーンの先頭を走ってきました。名前が売れて多作なバンドのわりに商業的には成功したとは言えないバンドなのですが、その原因は一般聴衆に愛されたというよりミュージシャンに愛されたという点にあるのではないでしょうか?

XTCの魅力は何と言ってもANDY PARTRIDGEの独特なメロディ美学です。
とにかく「快」と「不快」の境界を行くようなメロディラインはANDY PARTRIDGEにしか書けない!というぐらい独特です。
この独特すぎるメロディを愛したのは一般聴衆ではなく、ミュージシャンであるというのは非常に納得できます。

しかし本物は時代が経っても色あせません。2006年に聴いたXTCは全く輝きを失うことなくシニシズムを放っています。
そして聴けば聴くほどその「快」と「不快」の境界をいくスリルに魅せられていきます。

この「痛気持ちいい」感覚はこのポップなジャケットとともにこれからも愛され続けるでしょう。

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# by deaconred | 2006-02-09 23:00 | Rock(80年代)

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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