LOVE WALKED IN

ここ数日、少し音楽から離れた生活をしていました。
こんなことではいけない!と今日はストレートにJazzを。

最もピアノ・トリオが輝いていた時代にもう戻ることは出来ませんが、あの時代の音を体験出来る作品もここ数年見られます。

こういった好演は嬉しい限りです。
「日常」の扉を開けるのは聴衆ではなく、アーティストであって欲しいですね。
そっと開く「日常」の扉・・・今晩はリリカルなピアノの音に身を委ねます。

f0062463_18395534.jpg

******************************************************
LOVE WALKED IN/STEVE KUHN
(1998年録音)

STEVE KUHN:pf
BUSTER WILLIAMS:b
BILL STEWART:ds

1.NO PROBLEM
2.LAND OF THE LIVING DEAD
3.SUNNY
4.LOVE WALKED IN
5.SAHARAN
6.PRELUDE TO A KISS
7.ALL ALONE
8.AUTUMN LEAVES
9.LINES
10.YOU'VE CHANGED

******************************************************

→STEVE KUHNの音はまさにJazzの美学そのものを表現しています。

1960年代にデビュー後、1970年代に少し道を外した(?)STEVE KUHNでしたが、近年また再び最も基本的なJazzのスタイルに回帰し、良質ピアノ・トリオ作品を録音しています。
1970年代の諸作品は私の好みではないのですが、近年のピアノ・トリオは本当に素晴らしいです。何よりそのリリカルな音は「Jazzの美しさ」を見事に再現していると言えるでしょう。

私がピアノ・トリオを選ぶときにて重視するのは「スタンダード・ナンバーを中心とした選曲のよさ」
なのですが、この作品はまさにその「選曲」の良さが光ります。
1.NO PROBLEMに始まり3.SUNNY、4.LOVE WALKED IN、6.PRELUDE TO A KISS、7.ALL ALONE、8.AUTUMN LEAVES、10.YOU'VE CHANGEDとグッとくる選曲ですね。

3.SUNNYは1960年代のポップスファンお馴染みBOBBY HEBBのカバーです。原曲はミディアム・テンポの曲ですがここではスローで演奏されており、メロディを非常に巧みにフェイクしているため、一瞬、SUNNYに聴こえません。
アドリブに入ってからは弾きすぎず空間を残したアドリブが素晴らしいです。盛り上げも音数の増やすのではなくブロッキングや左手のコードワークにて厚みをましているところが勉強になりますね。

4.LOVE WALKED INはスタンダード中のスタンダード。
テーマの後はベースのアドリブから入り、ピアノのアドリブはブラシワークが光るin2からスティックに持ち替えるスイングへのリズムチェンジが面白い。そのリズムに合わせたアドリブをしっかりピアノが展開するところが聴きところでしょう。

一番の愛聴は6.PRELUDE TO A KISSです。
この曲はDUKE ELLINGTONのオリジナルで、もとはスイングしている曲ですがここではBossaNova調にアレンジされています。このアレンジが素晴らしいですね。
PRELUDE TO A KISSという非常に綺麗なタイトルのとおり美しいメロディがBossaのリズムの上で躍動し微妙にレイド・バックしてスイングしています。もうテーマを聴くだけで幸せになってしまいます。
あわせてドラムとベースも淡々とリズムを刻む中でポイント、ポイントで個性を出しています。

私の持論では近年のJazzは昔のエネルギーを失っていると感じていますが、この作品はピアノ・トリオが輝いていた時代の音が出ています。
そのピアノ・トリオを一旦はメイン・ストリートから離れたSTEVE KUHNが再現しているという点が嬉しくてなりません。

amazonへ。
[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by deaconred | 2006-03-20 19:00 | Jazz | Comments(0)