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LIVE AT GROOVY

先のブログで書いたJazz好きな人のネタをもう一つ。

最近、あらゆる情報媒体で音楽に関する情報を入手できますが、Jazzに関して言うととりわけ○○工房の作品が目立つように感じます。

決して○○工房を否定しているわけではないのですが、Jazz入門として聴くにはちょっと「?」が付くような気がしてなりません。

音楽には国境がなく、人種も言語も関係ない!のですが、一応、Jazzの本場であるアメリカで培われてきたその「魂」に触れてこそ「Jazz入門」が出来るのでないか?というのが私のスタンスです。

しかし「良い作品」は「売れる仕組み」に組み込まれなければリスナーまで届かないものです。
逆に「売れる仕組み」を作ってしまえば例えば「駄作」も「名盤」になるのかもしれません。

個人的にはヨーロピアンジャズをコツコツとプレスし、日の当たらないミュージシャンの録音の機会を与えた○○工房に敬意を表していますが、21世紀の日本においてJazz=○○工房って構図は勘弁ねがいたいものです^^;

そんなことを考えながら○○工房の代表作といえばロシアのピアニスト、VLADIMIR SHAFRANOV 。

聴いてみましょう。
LIVE AT GROOVY_f0062463_20215189.jpg
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LIVE AT GROOVY/VLADIMIR SHAFRANOV TRIO
(1981年録音)

VLADIMIR SHAFRANOV (p)
PEKKA SARMANTO (b)
JUKKIS UOTILA (ds)

1.MOON AND SAND
2.BITTER SWEET
3.WHO CARES
4.RHYTHM-A-NING
5.MOMENNTS NOTICE
6.AUTUMN LEAVES
7.WITHOUNT SONG


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→ロシアに生まれ、北欧、アメリカでの活躍のあと現在は北欧の小島に住むピアニスト、VLADIMIR SHAFRANOV(ウラジミール・シャフラノフ)が、ヘルシンキのクラブ「グルーヴィー」で録音した作品です。
他のメンバーはベースにPEKKA SARMANTO( ペッカ・サルモント)、ドラムにJUKKIS UOTILA(ユッカ=ペッカ・ウオティラ)を迎えていますが、すいません、勉強不足でこの二人については分かりません(^^;)読み方もこれであっているのか・・・。

録音は1981年ということでモダン・ジャズで言えば衰退期(?)にあたる時代ですが、音楽的テンションは高く、最初から最後まで怒涛の演奏を繰り広げています。
マニアが陶酔するだけあってなかなかアドリブフレーズも素晴らしく、テクニックも十分楽しめますね。まさに隠れた名盤という訳でしょう。
ミキシングの問題かもしれませんが、ベースの音は多少の電気処理があるのか若干、こもった感じがするのが残念です。全体の演奏が良いだけにもっとアコースティックな音が欲しかったです。

聴き所は4.RHYTHM-A-NING、5.MOMENNTS NOTICE、6.AUTUMN LEAVESの3曲でしょうね。ただ、個人的には職人ベーシストであるSAM JONES作曲の2.BITTER SWEETを取り上げているところが嬉しいです(笑)選曲渋いです。
中でもJOHN COLTRANEの難曲5.MOMENNTS NOTICEは特筆すべきでしょうね。この曲を何度か演奏したことがありますが、またもコルトレーン・チェンジに運指がついていかずに撃沈した思い出があります。
もともとはトランペット、テナー・サックス、トロンボーンの3管で演奏されていますが、そんな曲をピアノ・トリオで演奏するのは音圧が下がる点でもかなり難易度が高いと思われます。そこに複雑なコード進行ですから相当のコンビネーションとテクニックがなければ弾きこなせないでしょうね。しかし彼らの演奏は戸惑うところか最後から最後まで怒涛のテンションで駆け抜けます。アドリブの途中ではなぜかリズムが1/2になって驚きますが、それもご愛嬌。この名演にコルトレーンの魂を感じることが出来るでしょう。

ピアノ・トリオとしては非常に名盤と呼べる作品ですが、入門に適しているのか?私個人的にはVLADIMIR SHAFRANOVよりもSONNY CLARKやBOBBY TIMMONS、RED GARLANDの世界に触れて欲しいと思います。

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by deaconred | 2007-03-12 22:33 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


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