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THE VSOP QUINTET LIVE

ダメ君主さん(なんという名前だ!)からのネタフリがあったので書いてみましょう。

dさん的に最高のメンバーで録音されたジャズの作品って何ですか?

うーん・・・かなり難しい質問!!
ジャズにもいろいろあるわけで、個人的に好きな作品が最高のメンバーで録音されているとも限りませんし・・・
など考えていたらこれがあるじゃないですか!
と思い出しました。

その名もVSOP!ウィスキーではないですよ!
Very Special OneTime Perfomanceだったかな?
聴いてみましょう。
THE VSOP QUINTET LIVE_f0062463_1433582.jpg
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THE VSOP QUINTET LIVE
(1977年録音)

FREDDIE HUBBARD:tp
WAYNE SHORTER:ts
HERBIE HANCOCK:pf
RON CARTER:b
TONY WILLIAMS:ds

1.ONE OF A KIND
2.THIRD PLANE
3.JESSICA
4.LAWRA
5.DARTS
6.DOLORES
7.LITTLE WALTZ
8.BYRDLIKE

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→この超一流のメンバーが集結したきっかけは1976年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでした。

このフェスティバルではハービー・ハンコックの活躍をたたえるため、彼の半生を①マイルス・デイビス・クインテット時代の回想、②ハンコック自身のセクステッド時代の再現、③ヘッドハンターズに始まるエレクトロニック・ファンク時代の3つのプログラムが準備されていました。
①のマイルス時代を再現するにあたって、マイルスの参加が望まれていましたが、当時半分引退状態だったマイルスの参加は見送られ、代役としてフレディ・ハバードが参加しました。

このフェスティバルでのパフォーマンスが大盛況となり、同メンバーにて翌年1977年に全米ドツアーを行います。本作品はそのツアーの中からサンディエゴでのパフォーマンスを記録したものです。

さて、そのような経緯によって集まった超一流のプレイヤー達の演奏が悪いわけありません。
最初から最後まで怒涛の情報量です。
一つ一つのメロディ、和音、リズムが全てが新しいものを生み出そうとする力に漲り、聴衆を圧倒します。
それでいて全体的にバンドとしてバランスが取れており、各個人の個性が失われていない点が素晴らしいですね。

この作品が歴史的名盤とされる点はアコースティック・ジャズの復権に貢献したという点でしょう。
上記にも書いたとおり、当時のハービー・ハンコックはエレクトロニック・ファンクを最先端のスタイルとして活動していたため、そのサウンドは「良き時代」のジャズとは異質なものだったと思われます。ジャズ全体に閉塞感があり、その打開に必死だったのかもしれません。
そんな中、このメンバーにてスイングするジャズを演奏するということは「原点回帰」という意味ではなく、新たなジャズの方向性、可能性を見出すことの出来た演奏でした。
実際、このVSOPを経てショーターやハンコックがエレクトロニックなジャズではなく、アコースティックなジャズを演奏しています。
この点が最も重要ですね。

また音楽と同様に当時のビジュアルも刺激的です。
裏ジャケットの写真を載せてみるとこんな感じ^^;
THE VSOP QUINTET LIVE_f0062463_1435776.jpg
左からロン・カーター、ハービー・ハンコック、フレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムスです。
ロン・カーターは目がいっちゃってますね!最高にいい表情です!
確か、当時、トニー・ウィリアムスは風水(?)に凝っていて実につけるもの全て黄色にしていたとか・・・^^;

こんなに濃いメンバーの怒涛の演奏、体験してみる価値はありです♪


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by deaconred | 2007-11-07 23:24 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred