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US THREE


音楽を聴き始めた10代の後半は毎日のようにCD屋やレコードショップに通っていました。

当時の私のホームは某所のヴァージン・レコード(今は残念ながら閉店)でした。
その店舗は地下にフロアがある店舗で、毎回下りのエスカレーターで店内に入っていました。
今でも鮮明に覚えているのですが、そのエスカレーターを降りた右手にレコードが壁一面に飾られていて毎回、私はジャケットの壁に目を奪われていました。

キャメルのスノーグース、キング・クリムゾンのレッド、EL&Pのタルカスなどのプログレをはじめ、数々の名盤が絵画のように並んでいる壁は本当に心を奪われました。
どちらかと言えばCD世代の人間なので、それ以来、レコードの魅力に惹かれCDを買うとともにレコード購入へと傾倒していきました。

将来的に音楽を聴く自分の部屋を持つことが出来れば壁一面がレコードで埋め尽くされることになるでしょう。
現在はそういうスペースがないため、渋る相方を他所に3枚のレコードだけ飾ってあります。

この年末年始に実家に帰った際、飾ることを前提に数枚のレコードを持って帰ってきました。
その中か今晩はこの作品を聴いてみたいと思います。

ジャケットがすばらしい。
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US THREE/HORACE PARLAN
(1960年録音)

HORACE PARLAN:pf
GEORGE TUCKER:b
AL HAREWOOD:ds

1.US THREE
2.THE LADY IS A TRAMP
3.COME RAIN OR COME SHINE
4.WADIN'
5.I WANT TO BE LOVED
6.WALKIN'
7.RETURN ENGAGEMENT

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→モダンジャズの名門、ブルー・ノートにはあまりピアノ・トリオ形式での録音がないイメージがあるのですが、中にはこのような良盤もあるのですね。

ホレス・パーランに関して調べてみると、なかなか面白いピアニストでした。
彼はピアニストの仕事を探す際に、NYCに行けばなんとかなるかな?という気持ちでNYCへ。
たまたま入ったホテルのロビーでモダン・ジャズベースの巨人、チャールズ・ミンガスとばったりであい、ミンガスがピアニストを探していたということから早速、採用されたそうです。
人生、どこで何が起こるか分からないものですね。

ミンガスの元で多くのミュージシャンと共演し、その後、ミンガスから離れて録音されたのが本作です。
ホレス・パーランは小児麻痺により左手の小指と薬指が麻痺していたそうですが、右手と左手を入れ替え、右手で和音、左手でフレーズを弾くいていたそうです。
かなり特殊な運指ですが、聞いている限り違和感はありません。

さて、聴き所はなんと言ってもタイトル曲の1.US THREEです。
ベースを弾いているジョージ・タッカーは知る人ぞ知るベーシストで、とにかく大地を揺るがすがごとく野太い音を出すベーシストです。
1.US THREEはジョージ・タッカーのベースイントロで始まります。
そこにアル・ヘアウッドのブラシワークが4ビートを刻み、ベースのランニングが始まり、パーランのピアノへと続きます。
この最初の約1分が至福の時ですね。大地を揺るがすが如くベースを弾いてみたいものです。

3.COME RAIN OR COME SHINEは「降っても晴れても」という邦題で知られるスタンダードです。この曲はアップテンポでもスローでも演奏出来る曲で、ここではシットリとスローで演奏されています。ブロックコードを多様しているピアノに注目です。
細かいフレーズよりもブロックを多用するのは指の影響が強いのでしょう。
ホレス・パーランの代表作、ジャケット◎で低音フェチにはイチオシの作品です。

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by deaconred | 2008-01-12 23:47 | Jazz

CD紹介から楽曲紹介に変更してしまっているブログ。


by deaconred